ガーデニング初心者から経験者まで幅広く人気のある「エリゲロン」。
白とピンクの可憐な花が長期間咲き続けるため、庭先を明るく彩ってくれる存在です。
しかし、その苗を探してみると「なかなか店頭にない」と感じた方も少なくないでしょう。
本記事では、なぜエリゲロンの苗が店舗に出回らないのか、その理由と購入方法を解説します。
また、エリゲロンの特徴や育て方についても、園芸に役立つ情報を交えながら丁寧にご紹介します。
エリゲロンの苗が店にない理由とは?
エリゲロンの苗が入手しにくいのは、販売時期と植物特性に理由があります。
以下でその背景を詳しく解説します。
開花期間が長く植付時期が短いから
エリゲロンは開花期間が非常に長く、春から秋にかけて花を咲かせ続けます。
しかし、苗の植え付けに適した時期は、4~5月と10~11月の限られた期間です。
この短期間を逃すと、園芸店の仕入れサイクルと合わず、苗が入手困難になります。
花が咲いているからといって苗があるとは限らないのが、エリゲロンの特性です。
春と秋の限定販売が原因
苗の販売は基本的に植え付け適期に集中して行われます。
エリゲロンの場合は春と秋の年2回しか市場に出回りません。
そのため、夏や冬などの時期に探しても店頭には並んでいない可能性が高いです。
また、園芸店は流通コストを抑えるため、需要の高い時期にのみ仕入れる傾向があり、これが店頭にない大きな要因となっています。
見かける花と苗の流通時期がズレている
エリゲロンは街中や庭先で見かける機会が多い花ですが、実際の苗の流通時期とは大きなズレがあります。
花が咲いている時期=購入可能と考えてしまいがちですが、園芸の流通はその逆を行くことが多いです。
花を見かけてから苗を探しても、すでに流通が終了していることがほとんどです。
タイミングを理解しておくことが大切です。
エリゲロンとはどんな植物?
丈夫で育てやすく、長期間花を咲かせるエリゲロンは、庭づくりに最適な植物です。
以下で詳しく特徴を解説します。
キク科の宿根草で繁殖力が高い
エリゲロンはキク科ムカシヨモギ属の宿根草で、原産地は北アメリカから中央アメリカにかけてです。
多年草として育てられ、こぼれ種によって自然と増えていくのが特徴です。
耐寒性・耐暑性に優れており、気候の変化にも強いのが魅力です。
また、地下茎を伸ばして周囲に広がるため、グラウンドカバーとしても非常に有用です。
白とピンクの花が混じる特徴
エリゲロンの花は咲き始めは白く、時間が経つとピンク色へと変化していきます。
そのため、ひとつの株から2色の花が混じって咲いて見える独特の美しさがあります。
花の大きさは約1センチ程度で、小花が株全体を覆うように咲く様子は非常に可憐です。
長期間にわたって開花し続けるため、ロングシーズンで楽しめるのも人気の理由です。
グランドカバーとしても人気の理由
エリゲロンは横に広がる性質が強く、匍匐茎で地面を這うように生長します。
この特性により、花壇の縁取りや庭の空きスペースに植えると、雑草の抑制にもつながります。
ナチュラルガーデンやロックガーデンとの相性も良く、欧米では園芸資材としても重宝されています。
低メンテナンスで華やかさを演出できる点が、グランドカバーとして評価されている理由です。
エリゲロンの苗をどこで買える?
エリゲロンの苗は販売時期だけでなく、購入先によっても入手しやすさが変わります。
おすすめの購入場所を紹介します。
ホームセンターにないこともある
エリゲロンの苗は、春と秋に限ってホームセンターのガーデニングコーナーに並ぶことがあります。
しかし、地域や店舗の仕入れ状況によっては、まったく取り扱いがない場合もあります。
実際に訪れても在庫がないことがあるため、事前に電話などで確認するのがおすすめです。
仕入れは一括集中型のため、販売時期を逃すと入手困難になります。
種苗店や植物園では取扱が豊富
専門性の高い種苗店や植物園では、エリゲロンを含め多様な宿根草が取り扱われていることが多いです。
一般的なホームセンターに比べて植物の品揃えが豊富で、希少な品種に出会える可能性もあります。
エリゲロンのような季節限定流通の植物は、こうした専門店の方が安定的に取り扱っている傾向にあります。
購入前に取り扱い状況を確認しておくと安心です。
ネットショップでの購入もおすすめ
近年では、Amazonや楽天市場などの大手通販サイトでもエリゲロンの苗が購入可能です。
ネットショップのメリットは、在庫の確認が容易で、地域に関係なく入手できる点です。
ただし、実際の苗の状態が見えないため、信頼できる販売業者を選ぶ必要があります。
送料がかかることや、到着までに時間がかかる点も踏まえて、計画的に利用しましょう。
エリゲロンの育て方と管理のポイント
エリゲロンは丈夫で育てやすい植物ですが、長く楽しむためには環境や管理方法に注意が必要です。
育てる環境は日当たり・水はけが大事
エリゲロンは日当たりと風通しの良い場所を好み、湿気には弱い性質を持っています。
庭植えでは、水はけのよい土壌を選ぶことで根腐れを防ぐことができます。
また、鉢植えの場合も通気性の良い鉢と用土を用いることが重要です。
特に梅雨時期や多湿な場所では、過湿による病気が発生しやすいため注意が必要です。
水やり・肥料・剪定の基本ルール
エリゲロンは乾燥に強いため、庭植えでは水やりを控えめにするのが基本です。
鉢植えの場合は土が乾いたタイミングでたっぷり与えるのが効果的です。
肥料は与えすぎると葉ばかり育ち花付きが悪くなるため、控えめに施すのがコツです。
開花後は花がら摘みや剪定を定期的に行い、株の蒸れや病気を防止しましょう。
剪定は見た目の改善にもつながります。
増やし方は種まき・株分け・挿し芽で
エリゲロンは繁殖が容易で、種まき・株分け・挿し芽の3通りの増やし方があります。
種まきは春が適期で、発芽までの水管理に注意が必要です。
株分けは植え替え時に行うと効率的で、古い土を取り除き新しい用土に植えることで健康な生長を促せます。
挿し芽では清潔な土を使用し、発根まで適度な湿度を保つことが重要です。
どの方法も比較的初心者向きです。
購入前に知っておきたいエリゲロンの種類
エリゲロンには多くの品種があり、用途や好みによって最適なものを選ぶことができます。
エリゲロン・カルビンスキアヌスとは?
エリゲロン・カルビンスキアヌスは、最も一般的に栽培されている品種で、別名「源平小菊」とも呼ばれます。
白とピンクの小花が混在して咲く姿が特徴的で、長い開花期間を誇ります。
耐暑性・耐寒性にも優れており、初心者にも育てやすい宿根草です。
こぼれ種でも自然に広がるため、ローメンテナンスな庭づくりに適しています。
アズマギクやスペシオサスなどの仲間たち
アズマギクは日本原産のエリゲロン属で、淡い紫色の花と毛に覆われた茎葉が特徴です。
スペシオサスは花がやや大きめで、青紫やピンクの色合いが楽しめる品種です。
これらの仲間は見た目や生育環境に違いがあるため、植栽デザインに合わせて選ぶことができます。
耐寒性や耐暑性にも個体差があるため、栽培地域に応じた選定が大切です。
お庭に合う品種を選ぶコツ
お庭の環境や植栽の目的に応じて、適したエリゲロンの品種を選ぶことが大切です。
広がりやすいタイプはグラウンドカバーに向いており、コンパクトにまとまる品種は鉢植えや花壇の縁取りに最適です。
開花色や草丈も考慮して選べば、より調和のとれたガーデンデザインが実現できます。
種類ごとの特徴を把握し、用途に合った使い分けを心がけましょう。
まとめ
エリゲロンは、花期の長さと繁殖力の強さで人気のあるガーデニング植物です。
苗が店頭に少ないのは流通時期の短さが主な原因であり、春と秋の購入が狙い目です。
育て方は比較的簡単ですが、日当たりと水はけの良い環境が必要です。
水やりや剪定のポイントを押さえれば、初心者でも美しい花を長期間楽しむことができます。
また、品種選びも庭づくりの鍵となりますので、特徴を理解して選定しましょう。